ふとした瞬間に、
「もし自分が結婚まで辿り着いていたら」
と想像することがある。
それは後悔などではなく、純粋にどんな経緯を辿っているのか気になるのである。
毎日一緒に居ることが当たり前になるのだろうか。
ケンカはするのか。
彼女が困っている時、私は助けるのか。
正直どれもぼんやりとしか想像できない。
それはやはり
「一人の人間を愛し抜く」
という経験がないからなのだろう。
だから読んでみた。
一人の人間を愛し抜くという疑似体験ができる本を。
その中から面白かった作品を、同じようなことを考えている同志(つまりあなた)に紹介する。
【ちなみに】
当ブログで紹介している書籍は全て、Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で読んだものである(注 私が読んだ後に読み放題対象外になっている書籍もあります。しかし再び読み放題対象になることもあり。)。
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なぜ読み放題作品しか紹介しないのかと言うと、単純にお金が無いからである……。
純愛度100%ラノベ4冊
『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』
書誌情報(2024年5月24日時点) | |
著者 | 六つ花えいこ |
発行年月日 | 2019年10月16日 |
巻数 | 2巻 |
読み放題対象 | 2巻 |
Amazonレビュー・件数 (記事投稿日時点) | 840件 |
作品概要
ーー片思い相手が、突然家までやってきた。惚れ薬を作って欲しい、とやってきた。
ひっそりと暮らす魔女ロゼは、秘かに片思いをしていた王宮騎士に惚れ薬を依頼され、失恋した。
せめて少しでも長く一緒にいたいと、彼に様々な材料の調達を頼むロゼ。
ところが憧れの騎士様は、毎日関係のない食べ物を運んでくるようになり…?
(Amazon紹介文より引用)
・これ、今まで読んだラノベTOP5に入るわ。バチクソに面白い。
・記憶を消してもう一回読みたい。シュタゲ並みに。
・序盤はミステリアスで展開が読めない。上手く言語化できないが、ラノベではあまり感じたことのない空気感がある。
・お互い微妙にすれ違いながらも、着実に恋心が育っていく様子が少女漫画のよう。
心に刺さった言葉
「言いたくないことが万が一顔に出ても、『嘘になるから言いたくない』と正直に言える相手は、俺しかいないのだろう?」
顔を見せたくないというロゼに対するハリージュの一言。
ロゼの特性を分かった上で自然な気遣いができるハリージュ、普通にイケメン。
しかしまあこの一言が、物語後半のキュンキュンポイントを増殖させるのである!
振り返ってこの一言を読むと…ニヤニヤが止まらない。

本作だけでも皆読んで!
『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』
書誌情報(2024年5月23日時点) | |
著者 | 手島史詞 |
発行年月日 | 2017年2月1日 |
巻数 | 18巻 |
読み放題対象 | 2巻 |
Amazonレビュー・件数 (記事投稿日時点) | 1,425件 |
作品概要
「わたしは、どのような殺され方をするの……でしょうか?」
廃城に一人住む魔術師・ザガンは、ある日友人のバルバロスに誘われ、〈魔王の遺産〉が出るというオークションに参加する。
そこで出品された可憐なエルフの少女に、ザガンは生まれて初めて一目惚れする。
全財産を投げうって少女を手に入れたザガンだったが、好きな子とどう接していいのか分からず…
・不器用だけどネフィを大切に扱うザガン良い男。あんな場所で生活している割にまとも。
・ネフィが心開いていく過程が丁寧に描かれている。あぁ~よしよししてぇ~。
・色々な事件を通して絆が深まる様子に心温まる。これぞ純愛という感じの王道ストーリー。
心に刺さった言葉
「……はい。あったかい、です」
なにかを噛みしめるように、ネフィもそう言った。
ザガンとネフィの食事の中で、スープが温かいと言ったザガンに対するネフィの一言。
自分を大事に扱ってくれるザガンの心が分かってきて、ネフィも幸せを感じてるんだろうなと思った。
またこのシーン、二人が(ある意味)凄い体勢になりながら会話している。

はぁ……尊い……。
『9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます』
書誌情報 | |
著者 | 朧月あき |
発行年月日 | 2022年10月10日 |
Amazonレビュー・件数 (記事投稿日時点) | 737件 |
作品概要
「私を、抱いてくれないでしょうか?」
役立たずの聖女と呼ばれるセシリアは、婚約者である王太子からも冷遇されている。
それでも彼を守るため秘密の魔法で時を巻き戻すが、何度やってもうまくいかない!
最後となる9度目の人生は、不貞を働き聖女を辞めてみることに。
勇気を振り絞って一夜を過ごした男の正体はなんと敵国の皇帝で…!?
(Amazon紹介文より引用)
・「愛情って何だろう」と考えさせられる。まぁ強いて言えば……「相手」を愛しているのか、そう見せかけて「自分」だけを愛しているのか。そんなところだろうか。
・セシリアからエヴァン、エヴァンからセシリア、デズモンドからセシリアへの気持ちが微妙に全部違うところにハッとする。彼らの「差」によって変わっていく物語に引き込まれた。
・ループを繰り返すセシリアが健気すぎる……。報われろ。
心に刺さった言葉
「訂正しろ。彼女はもう、貴殿のものではない」
「お前のものだとでも言いたいのか?」
「違う。彼女は、彼女自身のものだ」
デズモンドとエヴァンのやり取り。
これを読んだときに、「愛情とは何か」という疑問に対する一つの答えが見えた気がした。
想い人のことを「誰かのもの」としか捉えられない人。
想い人のことを「その人自身のもの」と認められる人。
もちろん後者でありたいなと私は思う。だが相手はいない。
『破滅を控えた悪役令嬢が無理してヒロインを演じた結果~怠惰な余生が憧れなのに、第二王子の溺愛ルートに困惑中~』
書誌情報 | |
著者 | 一分咲 |
発行年月日 | 2023年12月5日 |
Amazonレビュー・件数 (記事投稿日時点) | 317件 |
作品概要
「今度の人生こそ、堕落した人生を送るんだもの。わたしの眠りを妨げるものは何人たりとも許さない……!」
乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった侯爵令嬢のセラフィーナ。
憧れの怠惰な余生のため、断罪ルートの回避を決意するセラフィーナだったけれど、いざ学園に入学してみるとなぜかヒロイン(通称:ヒドインちゃん)がいなくて!?
「死にたくない! ヒロインが出てこないなら、わたしがやるしかない…!」
(Amazon紹介文より引用)
・サクサク読める爽快なストーリー。2時間くらいで読めた。
・自分ファーストになりきれない善人主人公なセラフィーナが気持ちいい。自分だけが幸せになるって案外難しいよね。
・セラフィーナの思惑通りにいかないけど結局ハッピーになっていく展開も気持ちいい。
・最後のセラフィーナとある人物のやり取りに幸せがギュッと詰まっていて満足する。
心に刺さった言葉
「……ふふっ。お城の庭できゅうりを植えてもいい?」
セラフィーナの可愛すぎるお願い。
その返事は……?
ショートストーリー版シンデレラみたいな作品だった。
純愛度150%ラノベ3冊
『エロゲのヒロインを寝取る男に転生したが、俺は絶対に寝取らない』
書誌情報(2024年4月22日時点) | |
著者 | みょん |
発行年月日 | 2023年2月1日 |
巻数 | 3巻 |
読み放題対象 | 1巻 |
Amazonレビュー・件数 (記事投稿日時点) | 295件 |
作品概要
『私が全て奪ってあげる』
気が付いた時、エロゲの世界に転生していた。
【僕は全てを奪われた】という寝取られエロゲの主人公・佐々木修……ではない。
修を献身的に支える幼馴染ヒロイン・音無絢奈を修から寝取る親友キャラ・雪代斗和に、だ。
幸いゲームのストーリー開始まで一年も猶予がある。
自分に寝取りの趣味はないし、俺が彼女を奪わなければ二人は幸せに結ばれるはず……なのに。
「二人っきり……ですね?」
(Amazon紹介文より引用)
・これ実際にゲーム化してもいいのでは?ビジュアルノベル化できるよ。
・「表」と「裏」の構成が秀逸。丸戸史明さんのような巧妙な伏線の貼り方は見事。
・ミステリーのような綺麗な伏線回収。読了後にモヤモヤが残らない。
・絢奈幸せになってほしい……。ハガレンのマスタングを思い出してしまう。
心に刺さった一言
「追い詰めて…追い詰めて…。
苦しませて…苦しませて…。
そして最後に最も大切なモノを奪うんです…そうすれば、もう絶望しかないでしょう?
私は絶対に忘れない、お前たちが放った言葉を。
私は絶対に忘れない、彼が流した涙を。
だから私が【全てを奪ってあげる】。
もう一つの物語の始まり。
自分の大切な人が理不尽な目に遭い、また周りの人に理不尽に傷つけられたら我慢できないよな。
復讐は何も生まないと言うが、正直やっちまえ!と思っている。
タイトルからは到底想像できない展開、ドキドキする物語である。
『気高き国王の過保護な愛執』
書誌情報 | |
著者 | 西ナナヲ |
発行年月日 | 2018年1月10日 |
Amazonレビュー・件数 (記事投稿日時点) | 452件 |
作品概要
片時も消えることなく、いつだって胸の中にあった、あの顔は。
王女の家庭教師に任命された聡明な貴族令嬢のフレデリカは、ある日国王陛下に謁見することに。
ところが、王として現れたのは一年前にとある事情で突然姿を消してしまった初恋の人・ルビオだった!
空白の歳月を埋めるように、甘く強引に求められ、深い愛を教えられるフレデリカ。
最初は戸惑いつつも、ルビオの止まらない独占欲に溺れていき…!?
・伏線回収が丁寧で気持ちいい。
・会話が洋画みたいでおしゃれ。テンポも良くて読みやすい。
・フレデリカがとにかくイイ女。中身イケメンなのである。
・徐々に前を向いていくルビオが等身大で好感が持てる。ここが物語の核だったのかもしれない。
心に刺さった言葉
「……私がいるわ。王城のどこかに私がいるって、忘れないで。ルビオの名づけ親よ。私がいるってことは、あなたもいるのよ、ちゃんと」
自分を信じられず、君を守るとも言えないルビオに対するフレデリカの一言。
思い切り不安を吹き飛ばしてくれる。
今作はフレデリカの過去の描写が一切ない為、どうしてこんなに芯が強いのか謎である。
番外編で幼少期のフレデリカとか書いてくれないだろうか。
『2度目の人生は鳥籠から脱出するはずが前世の夫に捕まえられました』
『2度目の人生は鳥籠から脱出するはずが前世の夫に捕まえられました』 | |
書誌情報 | |
著者 | クレイン |
発行年月日 | 2018年7月25日 |
Amazonレビュー・件数 (記事投稿日時点) | 573件 |
作品概要
「あなたなんか、大嫌い」
祖国を奪われ、家族を奪われ、自由を奪われ、籠に囚われ、弄ばれた末に死んだ金糸雀(カナリア)姫。
王宮に勤めるクリスティナは彼女の生まれ変わりだった。
今度こそ自由に生きるために努力していたが、ある日会ったこともない公爵から結婚を申し込まれ…
・クリスティナが知らなかったこと、目を背けていたことに向き合い、自分の本当の気持ちに気付いていく展開が丁寧で胸が熱くなる。
・ヤンデレなアルベルトだがクリスティナに意外とタジタジになるのがかわいい。ヤンデレ男子には珍しいタイプでは?ちょっとほっこりした。
心に刺さった一言
「家族から引き離されるのも、遠き異国の地に行くのも、王族である私一人で十分よ」
クリスティナが仕える王女・ソフィアの一言。
15歳にして壮絶な覚悟をしているソフィアがかっこいい。
しかし金糸雀姫であったクリスティナにとっては突き刺さる言葉…
私から見れば金糸雀姫も相当頑張ったのだと思うが。
二人とも幸せになれよ、と応援したくなるシーンだった。
【おわりに】純愛物語は最高の疑似体験。小説の最も魅力的な部分が出ている(しみじみ)。
私、小説の大きな魅力は
「他人の人生の疑似体験」
だと思っている。
その点、純愛系の作品は
「一人の人間からひたむきに愛される体験」
ができることが最高であると、私は考える。
現実がどうであれ、あなたも今回紹介した本を読んで、幸せな疑似体験ができることを願っています。
【最後に宣伝】
当ブログで紹介している書籍は全て、Amazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で読んだものです。
(※しかし私が読んだ後、読み放題対象外になってしまうことがあります。
ガッデム!
ただ対象外になった作品が再び読み放題対象になる場合もありました。)。
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